こうちミュージアムネットワーク総会及び情報交換会「震災とミュージアム」

(1)日時  平成23年6月8日(水) 13:30~17:00


(2)場所  高知県立美術館


(3)参加人数  38名


(4)総会概要  → 詳細はこちら(PDFファイル)
  ・開会あいさつ 高知県文化財団理事長 千葉 健
  ・会場館あいさつ 高知県立美術館長 藤田直義
  ・総会あいさつ こうちミュージアムネットワーク会長  宅間一之
  ・22年度事業報告及び決算報告
  ・平成23年度会長および幹事(案)
  ・23年度事業計画および予算報告
  ・今後のこうちミュージアムネットワークの運営方針について
  ・その他

  (横山隆一記念まんが館 奥田)




(5)情報交換会概要
 3月11日に発生した東日本大震災は、多くの文化施設や文化財に甚大な被害を与えました。高知県においても南海地震によるこれらへの被害が懸念され、様々な面で対策が急務となっています。そこで今年度こうちミュージアムネットワークでは、災害からミュージアムを守っていくために何をすべきかについて、研修会などをとおして考えていきたいと思っています。
 その第1弾となるのが、今回の情報交換会です。
 
 【見学】高知県立美術館の防災対策について
      後藤雅子(高知県立美術館・学芸員)
 高知県立美術館の防災対策について施設見学を行いました。施設が浸水被害を受けた平成10年の水害を教訓に、1階部分に防水扉を設置したり、各階に分散して救命道具などの防災備品を用意したりと、これまでの対策例を紹介していただきました。

 【報告】東日本大震災における文化施設・文化財の被災とレスキュー活動について
     -報告と問題提起-
     藤田雅子(土佐山内家宝物資料館 学芸員)
 4月22日に行われた考古学研究会緊急フォーラム「東日本大震災に直面して」の参加報告のほか、宮城歴史資料保全ネットワークのレスキュー活動について報告いただきました。各被災施設の現状は想像を絶するもので、行政機能がマヒしている中で現場の熱意だけで動いている現状があることや、博物館など収蔵資料が散逸した場合、目録がない未整理資料の把握が困難になっていることなどが課題であるといった報告がありました。

 【情報交換会】
 最後に見学や報告を踏まえ、各館の現状について情報や意見交換を行いました。施設の立地や構造、人と文化財の安全性、目録台帳のデータ管理のあり方など、各館が抱える問題が次々に浮きぼりになりました。そして具体的に何から取り組めばよいかが各館共通する課題であることもわかりました。今回の会で明らかになった問題を出発点に、次回の研修会につなげていきたいと思います。

  (土佐山内家宝物資料館 田井東)